寺の敷地に建つ本施設は「門」として附置されることが相応しい。寺と向き合う姿形は「対話」の表徴であり、地域住民の散歩コースとして定着している参道からも森の中に架け渡されることによって「門」としての様態を帯び本施設への誘引と歓待の意思を伝える。
寺と正面から向き合う一方、遊歩道を通じて寺とクリニックが回遊的に繋がることにより、地域住民を含めた散策や放課後等デイサービスにおける活動の場として敷地全体に賑わいを与えるだろう。
2階の食堂、寺小屋(放課後等デイサービス)は地域利用を積極的に促し、デイサービス利用者も地域住民も混在した風景を形成することを目指している。そして本施設の積極的利用を促すために1、2階のホール、1階デイサービスの縁側はデイサービス、デイケアの緩衝空間として内部の活動を間接的に開示するとともに、井戸端会議や定期的に開催されるマルシェの場など訪問者が自発的な活動を始められる場所として提供される。