大屋根の家
—医療・福祉的支援を必要とする子どもたちを地域の中で受け入れ、療育・短期入所・在宅支援・地域交流を横断的に支える小規模地域支援拠点を目指して—
□現状と課題
千葉県において
医療ケア児;約500人〜750人
重症心身障がい児(者);600人強
身体障がい児;数千人
発達障がい児;数万人
といわれている。
医療ケア児に限っては全国規模では2005年から2022年で2倍以上と増加傾向にある。
一方、そうした状況に対して県は医療型短期入所事業所開設支援事業を実施し、医療的ケア児等支援センター「ぽらりす」を設置するなど対策を講じているが、地域で継続的に支える支援体制は十分とは言えず、地域連携・相談支援・受入体制不足が課題として示されている。特に「高い支援密度を必要とする子どもたちを地域で受け入れられる小規模支援拠点」の整備が求められている。
また、医療的ケアが必要な障害のある人や子どもに対応できる医療型短期入所事業所が不足しており、「短期入所が利用できない」とする家族の声(レスパイト不足)への応答が急務となっている。
さらに高い支援密度を持つ子どもに対応可能な訪問看護ステーションの整備は在宅生活支援の核として地域生活維持を支えるとともに施設と在宅を接続する役割が今後ますます期待されると思われる。
□対策
上述の今日的課題への応答として児童発達支援、短期入所、訪問看護ステーションを3本の柱とした計画とし提案するものである。加えて、多目的室を設けることで医療ケア児、重症心身障がい児そして親を地域社会と繋げ、社会的認知・理解を深めるとともに「地域共生社会」の実現拠点を目指す。
□大屋根の家とは
医療・福祉的支援を必要とする子どもたちがここに集まる。バギーに乗る子どもたちにとって見上げる風景を豊かなものとする。高い天井は開放性を生み高窓からの光や風は様々な表情で子どもたちの好奇心に応え、あげた声はやがて見上げる天井に吸い込まれ次の言葉を待っている。親同士のなにげない日常が交換されたのち、親たちはやがて自分のために許された日常へと向かっていく。もうひとつの家のように、親と離れて寂しいけれど楽しい特別な夜になれば良い。ぼくの部屋からはさっきまでみんなと楽しく過ごした団欒の場所と繋がっている。
2階の事務室からは子どもたちの様子がわかり、見上げた子どもとささやかな交信がうまれる。手を振りほほ笑みで応えてくれたその交信は管理とは異なるやさしく温かい見守りとなる。
多目的室は開かれている。地域の人にとっての寄り合いとなり、子どもたちにとってはいつも新しい刺激をくれる社会の窓そのものだ。
大屋根は、子どもたちや家族、地域の人々を静かに受け入れる。ここは、支援のためだけではなく、「ここにいても良い」と感じられるもうひとつの家となる。